2泊3日田舎暮らしのあれこれ
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愛媛の山奥で、人口減少に歯止めがかからない限界集落、
跡継ぎもなく、年金暮らしのばーちゃん(80代半ば)が一人で住んでるとこです。
で、ばーちゃんちで辛うじて収益になりそうなのは椎茸と栗。
あとはやればやるほど赤字になる林業(杉)と、
自分たちで食べる作物の栽培くらいです。
今回は両親と三人で帰って、主に農作業の手伝い。
初日の到着は昼過ぎ、メシ食ったら地下足袋と作業着に着替えて
さっそく小梅取りからスタート。
1つだけ実がよくなっている木があったんで、5キロくらい収穫。
まあ見た目があまりよくないので梅干しにするか梅酒にして
自分らで楽しむか親戚に配るかくらいのものですね。
それから畑で葉がダメになっているジャガイモの収穫。
鍬とスコップを使って地味に掘っていくけど、
小さいのばっかりで、育ちが悪かったのが一目瞭然。
雨が少なかったのも良くなかったみたいです。
初日はそれくらいで終了。
陽射しはあるし、湿度もそこそこできつかったけれど
真夏や真冬に比べれば大したことないですね。
梅雨の時期なんで雨が降れば作業になんないから、出来ただけマシでしょうか。
次に2日目、の前にばーちゃんの現状。
昭和一桁生まれのばーちゃんですが、じーちゃんが体弱かったのもあって
若い頃から畑仕事一本で暮らしていたんですが、
その無理がたたってこの数年で一気に膝、足首、手を悪くして
まともに歩くことさえままならなくなってしまいました。
移動には杖が必須、家の中でも立ち上がれなくなるから椅子生活。
各所の段差もなるべく埋めて半分バリアフリー化してました。
正直、そこまで弱ってしまっているばーちゃんを見るのは辛かったです。
でもやっぱり畑仕事はしたくてしょうがないらしく、
なんとかできる草取りなどをやっていました。
というわけで星を楽しんだあとの2日目。
朝は6時起床、8時前には朝食を終えて、9時に作業スタート。
日が昇って暑くなる前にやるわけですね。
まずは里芋を植えている畑の草むしりを延々と。
スギナが猛烈な勢いで繁殖してしまっているので、とりあえずむしり取りまくり。
ぶっちゃけ焼け石に水ですが、取らないよりはマシといったレベル。
里芋も生育があまり良くなくて、植えたうち半分くらいしか芽が出てないとのこと。
途中、休憩を入れながら11時過ぎまでやったところでおしまい。
のんびりメシ食って、2時過ぎまで昼寝してから作業再開。
今度は小型の耕運機を引っ張りだして、作物を収穫し終えた畑を耕します。
山合なので少ない平地を耕すには小回りのきく耕運機の出番です。
いっぺんにたくさんは耕せないですが、鍬でやっていくよりははるかにマシ。
だがしかし、これがまた楽ではないんだな~。
最初の20分くらいかな?父親のやるのを見て、あとはお前がやれと。
で、散々ダメ出しされながらそれなりにやれるようになったかなあと。
まあそれが翌日に腕と腰と足にくるんですけどね(苦笑)
そんなこんなで17時頃ににわか雨が降りだしたので2日目の作業はおしまい。
そして3日目、梅雨時ながら雨が降らないので農作業は続くよ~。
朝は9時から野良仕事スタート。
初日は父と一緒にやっていたジャガイモ掘りを、今度はお前一人でやれと。
スコップで固い土を掘り起こしてはちっこいジャガイモを収穫。
時折やらかしてジャガイモを真っ二つにダメにしてしまっては怒られたり。
父親もまあ耕運機で畑耕しながらよく見てるもんですわ(苦笑)
それからばーちゃんに頼まれて、前日に引いた草をまとめて
栗畑に持って行って、新しく植えた苗木のまわりに敷き詰めていきました。
そうすると苗木の堆肥にもなるし、雑草よけにもなるんで一石二鳥。
そんなこんなで昼前に上がって、あとはメシ食って2時に帰途につきました。
でね、余談なんですけど、ばーちゃんにとって俺は
三十路過ぎだろうがいつまでも孫なわけなんですよ。
なんだかんだ言って帰る前に小遣いを持たせようとするわけでねえ・・。
「ちょっとおいでや」
もうこの言葉だけで分かるんですわ。
「いやいや、ええから、もう小遣いもらう歳やないから」
って言うわけですよこっちは。
でもね、ばーちゃん必死に杖ついて俺の方に来て渡そうとするんですわ。
「これでジュースでも飲んでや」って。
1万円分もジュース飲んだら糖尿病になるわ俺。
結局まあそれで、ばーちゃんの気が済むならってことで
お決まりの押し問答コントの末にありがたく頂戴しましたけど
そういうところだけは変わらないばーちゃんがいて
いつまでも生きていてほしいなあって思いました。
おわり