読地図感想文
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昭文社より発行されている「震災時帰宅支援マップ 首都圏版」(630円)を買ったので
鞄の中に入れておいて帰りの電車であれこれ考えつつ眺めてみました。
約1時間半ほどかけて千葉から東京に通っている身としては、
いざ震災が起きたときにどうやって自力で帰宅するかを考えておかねば。
…などと思って買ったわけではなく、単に地図好きの虫が騒いだだけで、
帰宅支援マップってのはどんなもんなんだろう、と気になったのが一番の動機。
まぁ持ってて損はなかろう、ということもあってさくっと買いました。
地図としては(内容が少ないけど)安かったですし。
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で、眺めてみて分かったこと
・職場から自宅までの距離は思っていたよりも短い
大雑把に長めに見積もって60kmないくらいでしょうか。
もっとあるような気がしていたんですが、案外短かったです。
まぁ災害時だと道路がどうなってるか分からないんで楽観はできませんが、
3日あれば十分帰り着ける距離だと思います。
・橋が多い
実際に震災時徒歩帰宅となると、これが一番のネックになると思います。
もしどれかひとつでもダメになっていたら相当な迂回を余儀なくされるんで。
東京⇒千葉ルートでは隅田川・荒川・江戸川があります。
この2つが自分としては大きな収穫でした。
ルート的には浜松町から秋葉原まで出て、そこからJR総武線沿いに行くのが
ベストだろうな、というのはなんとなく見当がついていたんで。
あと、市川市の八幡駅あたりまで来られればあとは知っている道になります。
もちろん全部歩いたことがあるわけではないですが、
部分部分で結構歩いたり(車で)走っているところがあって、
ここらまでたどり着ければ後は精神的に少し楽かな、という感じです。
そして地図としてもこれはなかなか面白いものでした。
当然ですが通常の地図と違っていて、全域をマッピングしたものではなく、
東京駅を中心に、各方面へのメインルート12本沿いを集中して載せています。
放射状に12ルートが延びていて、その1本1本を載せているんですが、
なるほどと思ったのは、ページの上を北ではなく、帰宅方面にしているところです。
(通常の地図だと、ページの上が北になっているのがほとんどのはず)
例えば東京⇒千葉ルートの場合、目指す千葉方面の方角は東になります。
実際に帰宅者は東へ向けて歩いていくわけで、
ならばページの上を帰宅する方面にしておいた方が断然見やすい道理です。
考えてみたら、普段自分が地図を使って知らない土地を歩くときも
ごくごく自然に進行方向が上にくるように地図を回転させていることがよくあります。
それから、地図に書き込まれている情報もなかなかに興味深いものでした。
震災時に使用するものなので、もちろん地図上に示されている情報も
サバイバルのために必要なものがメインで、広域避難場所はもちろん、
水場や東京都指定の帰宅支援ステーション、トイレなどもきちんと載っています。
また、知らない土地を歩くので、位置情報が非常に重要になるわけですが、
目印となる建物や標識などがこれでもか、というくらいに書き込まれています。
そして、徒歩1時間で進める距離の目安となる3kmおきにも印がついており、
また、「秋葉原駅から○km」といった主要地点からの距離表示もあります。
これらはどれくらい歩いたかの目安になるので、非常に有益な情報です。たぶん。
でもって、地図としての大きさも手頃で、利便性を損なわない範囲で
非常に携帯性を持った作りになっています。(もちろん薄くて軽いし)
とりあいず鞄に入れておいても全然苦にならないんで
常時携行しておこうかなぁ、と思う次第です。
暇なときに取り出して眺めるのも楽しいですし。
また、最近では『震災時帰宅支援マップ』方面別詳細版というのも発売されたそうで、
「埼玉・城北」「千葉・城東」「多摩・城西」「神奈川・城南」版の4つがラインナップ。
よっぽど売れたんだろうなぁ、という邪推は置いておいて、
最近地震に対する不安も高まってるし、それだけ需要があるんでしょうね、きっと。
ちなみに、関東以外では「京阪神版」、「名古屋・東海版」が出されている模様です。