日食グラスの安全性と、確認方法
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金環日食グラス:安全に問題ある製品「製品名を公表も」
消費者庁の福嶋浩彦長官は16日の記者会見で、21日の金環日食を前に販売、配布されている観賞用グラスについて、目を痛める恐れがあるなど問題のある商品について「製品名を公表することも検討している」と述べた。便乗している悪質な業者も紛れ込んでいるようです。
観賞用グラスについては、日本天文協議会が、安全性に問題のある製品が出回っている可能性を指摘している。
消費者庁は危険なグラスの見分け方として(1)室内の蛍光灯を見て、一見して明るく、形がはっきりと見える(2)可視光線や赤外線の透過率が高い(3)LEDライトなどの強い光にかざした時にひび割れや穴が確認できる−−などを例示。使用の際に品質や性能を確認し、正しく使うよう呼び掛けている。
失明の危険性もあるので、きっちり確認しましょう。
確認方法はこちらの記事に書いてあります。
金環日食は事前に観測グラスの安全確認を
消費者庁は5月16日、金環日食の観測用として販売されている観測グラスについて、不適切な製品を用いることのないよう注意を呼びかける文書を公開した。
日本国内での金環日食が観測できるのは、1987年9月23日に沖縄以来25年ぶり。九州から関東までの広い範囲で観測が期待されている今回の金環日食は、「世紀の天体ショー」とも称され、昨年あたりから観測用グラスの販売・流通が急増していた。
その中には、安全な観測に適さない危険な製品も含まれている可能性があると、消費者庁の消費者安全課が指摘している。日食の観測に、不適切な製品を用いると、目を傷める危険があり、重症化したり、視力低下に陥ることもあるという。
危険な製品の見分け方として、日本天文協議会のワーキンググループの一つで、同会長の海部宣男氏が委員長を務める「2012年金環日食日本委員会」が呼びかけている情報をもとに、以下のように説明している。
まず、「室内の蛍光灯を見て、一見して明るく、形がはっきりと見える製品」。可視光線を十分に減光している安全な製品の多くは、かすかに蛍光灯を確認できる程度の見え方となるという。
さらに「可視光線や赤外線の透過率が高い製品」。安全性の検討材料となる数値として、可視光線で0.003%以下、赤外線で3%以下が目安だという。そして、「LEDライトなどの強い光にかざした時に、ひび割れや穴が確認できるもの」。
消費者庁では、これらの条件を参考に、観測グラスの品質や性能を確認したうえで、正しく観測するように呼びかけるとともに、流通している観測グラスに不適切な製品がないか確認中だという。
なお、2012年金環日食日本委員会では、他にも初心者が日食を撮影する行為の危険性や、曇り空の場合の危険性など、日食観測における注意事項についてまとめている。
Amazonなどネット通販では、100円ショップで売っているものが
1000円越えで売られているなど、ぼったくりも出てきていますね。
こういった商売にも気をつけてもらいたいものです。
※追記
国立天文台の縣さんのツイートによると・・
問題のある日食グラスは、デメテルという会社のもの、たぶん、これ一種類かも? ほとんどは大丈夫なのに、日食グラスは危ないという風評が悲しい。 問題は正しい使い方。太陽を目に直接入れない工夫を。使い方をよく理解し、1-2分みたら 目を休めること。 ぜひ、怖がらず、日食観て下さい!!!とのこと。
また、見分け方のツイートも
不適切な日食用グラスですが、製品の性能表示でもだいたい推測可能です。 可視光と赤外線の透過率が、20%とか書いてあるのは論外。 可視光線で0.003%以下、 赤外線で3%以下というのが目安。
2012年金環日食日本委員会のサイトにも情報が出ています。
【注意情報】危険!不適切な透過率の製品が存在します。
(2012年5月18日掲載)
家電Watchの記事にも
デメテル「日蝕観賞用グラス」が危険として自主回収
消費者庁と国民生活センターは18日、デメテル「日食観測グラス」が日食観察に適さないとし、21日に起きる金環日食の観察に使用しないように呼びかけている。デメテルの出荷数は41個で、同社も自主回収を始めている。
今回、16業者20製品の日食観測グラスをテストした結果、デメテルの製品は可視光線の透過率が0.23%と高く、蛍光灯がクッキリとみえるほどだった。日食観測の場合、可視光線の透過率は0.003%、赤外線で3%以下が目安とされている。
日食観察グラスについては、5月11日に2012年金環日食日本委員会が危険な製品をしないよう警告し、それを受けて消費者庁らが調査を行なっていた。
また、正しい日食観測グラスを使用する場合でも、下記のような使用上の注意を呼びかけている。
・日食観察グラスを目にあててから太陽を見る
・望遠鏡や双眼鏡などと組み合わせて使うことは絶対にしない
・長時間太陽を見続けることは避け、ときどき目を休める
・目に違和感があったり疲れを感じたりした場合は、すぐに観察を中止する