博物館観望会ボランティアになるまで~自分の場合
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葛飾区郷土と天文の博物館にて、今年も博物館天文ボランティアの募集が始まっています。
2006年度のボランティアに募集し、まだ一年足らずの経験しかない自分ですが、
ボランティアへの応募を考えていらっしゃる方の参考になればと思い、
ボランティアスタッフになるまでの経緯や実際の活動内容を書いてみたいと思います。
○応募のきっかけ
以前書いたことと重複するところもありますが、ご容赦を。
自分の場合、小学生のときに天文に興味を持ち、色んな本を読んだり、
親に天体望遠鏡を買ってもらってあれこれ観たりしていたんですが、
中学高校大学の間は、天文趣味からは少し離れていました。
社会人になり、通勤のお供にと久々に天文雑誌に手を出したことをきっかけに、
再び天文熱がぶり返しまして、ちょっと無理して望遠鏡を買ってしまったり、
デジカメと合わせて写真を撮るようになったりしました。
そうしてしばらくは一人で楽しんでいたんですが、
たまたま星ナビに載っていたボランティア募集のお知らせをみて、
自己完結していないでもっと外へ出てみてはどうだろうか、と
そんな大層なことを思ったわけではなく、
単純に星仲間ができたら、とか、博物館の望遠鏡やドームを操作してみたい、と
思ったのがきっかけです。
これまで近くの天文愛好会や、学校の天文部に所属することもなく、
自分は狭い世界で終わってるなぁ、という感じがあったので、
思い切って応募してみることにしました。
とまぁ、長くなりましたが、きっかけはそんなところです。
○実際の応募は…
正直、応募する前は結構あれこれと悩みました。
そのへんを箇条書きでQ&Aチックにまとめてみます。
【中途半端な天文知識しかないけど大丈夫?】
⇒知識はあったに越したことはないですが、逆に全くなくてもなんとかなります。
頼りになる先輩ボランティアの方々もいらっしゃいますし、
お客さまも詳しくない人がほとんどなので、(たまにマニアックな人もいますが)
そうした方々に向けて、いかに噛み砕いて説明できるかが重要です。
また、天文の解説だけが仕事ではなく、案内や場内整理なども大事な仕事になります。
接客が苦にならない、という方がよほど重要かもしれません。
宇宙や星のことについてはいくらでも学んでいけますし、
先輩ボランティアに気軽に質問することもできます。
実際にほとんど知識なしでスタッフになった方も多いです。
【ボランティア未経験だけど大丈夫?】
⇒事前に10回程度の研修があるので問題ないと思います。
館の職員の方による研修が1~3月にかけて10回程度行われます。
博物館の施設に関すること、星の説明の仕方、望遠鏡の操作方法など、
細かいところまで教えていただけます。
また、実際に練習する時間(模擬観望会)もありますので
一通りのことは身につけられると思います。
それから、研修はすべて参加できればベストですが、
止むを得ない用事などで欠席されたとしても
即ボランティア不採用になったりはしないです。
【仕事をしているので毎回参加できるか分からないけど、大丈夫?】
⇒これも問題ないです。
基本的にボランティアですので、自分の生活が優先です。
このへんの事情は館の職員の方もよく理解されているので、
休んだからといってペナルティが課されることもありませんのでご安心を。
遅刻・欠席される場合にきちんと連絡を入れさえすればOKです。
【望遠鏡(や設備)を壊したら弁償?】
⇒これもほぼない(はず)です。
故意にやったら問題ですが、そうでなければ…
(ちょっと自信ないので断言できず…)
応募に悩んでいた頃の自分は、変な先入観があって、
(というのも、その時点では博物館に一度も行ったことがなかったからなんですが…)
ボランティアはみんな天文知識が豊富で、観望会の運営も完璧で…
といったイメージをしてしまっていました。
ところが、実際にボランティアに入ってみて活動してみると、
当たり前なんですが、個々の天文知識には個人差があり、
また、お客さまの人数や層もその日によって千差万別、
運営もある程度の基本方針はありますが、イレギュラーな事態は付き物で、
現場で臨機応変に、より良いと思われる方法で対処していく、といった面もあります。
ある意味、自分の抱いていた先入観ほど難しいものではなく、
一方で自分の思っていたより難しいところもある、というのが自身の実感です。
とりあえず興味があるけど迷っている方は、応募してみて、
研修を受けてみるのも一つの手だと思います。
研修終了後に再度、ボランティア登録の可否を聞かれますので、
そのときに辞退することも可能ですので。
(といっても研修を受けたら、きっと観望会もやってみたくなると思いますが)
○ボランティアに必要な資質
などと銘打つと大袈裟ですが(というか自分もまだまだなので)、
少しずつ磨いていければ良いなぁ、という資質をいくつか挙げてみます。
【分からないことは素直に分からないと言えること】
当然といえば当然のことなんですが、「~ですよね」とお客さまに尋ねられて、
ついつい「はい、そうです」なんて答えてしまいそうになることが
たまにあります。
分からないことは素直に分からない、と答え
近くにいる先輩ボランティアに聞いてみる、という姿勢が大事です。
【言葉づかいに気をつける】
自分たちからすれば、我々はボランティア、という感覚ですが、
お客さまからみてみれば、館の職員と区別はつきません。
変にへりくだり過ぎる必要もないですが、丁寧な言葉づかい・応対は大切です。
同様に、服装も動きやすく、かつ常識的なものにする必要があります。
【博物館の設備を覚えておく】
お手洗いの位置と非常出口の経路は覚えておく必要があります。
【主役はお客さま、でも自分も楽しんで】
これも当たり前なのですが、主役はお客さまです。
自分も望遠鏡を覗きたい!という衝動に駆られることもありますが、
そこはぐっと堪えて(笑)、お客さま優先です。
お客さまが少人数である場合などはちょこっと覗いてみることもできますし、
また、星空散歩終了後に少し時間に余裕があれば覗くことができるかも、
といった期待はできますが、あくまでもスタッフが見るのは最後です。
自分の場合、お客さまが望遠鏡で星をご覧になって、
「凄い!」と感嘆を上げるのを見るのが何よりの楽しみです。
(優等生ぶっているように思われるかもしれませんが、
自分が好きな天体というものに、他の人が感心・感動してくれる、
そしてその場を提供するのに一役買えている、という実感は
とても嬉しく、そして楽しいものです)
何十人とお客さまが来られたときなどはかなり大変で、疲れるものですが、
そういった状況も含め、ボランティア自身が楽しむことができてこそ、
お客さまにも楽しんでいただけるのかな、と思います。
とまぁ、偉そうにつらつらと書いてしまいましたが、
受け売り(研修等で職員の方から教わったこと)も多分に入っております(笑)。
そして自分のことを振り返ってみると、まだまだ至らぬ部分が多いので、
自分への戒めも含めて書かせていただきました。
これからボランティアへ応募しようかと考えていらっしゃる方に
少しでもお役に立てれば幸いです。
拙い文章でしたが、ひとまずこれにて。